多焦点眼内レンズとは

単焦点と多焦点の違い

多焦点眼内レンズは、遠方と近方にピントが合う遠近両用レンズです。白内障によって濁った水晶体を摘出し、その代わりに眼内レンズを挿入しますが、従来の単焦点レンズはきまった一点のみにピントが合うため、それ以外の場所を見るときは眼鏡が必要となります。例えば、遠方が見えるように単焦点眼内レンズを挿入した場合には、遠くを見るときには眼鏡なしでも可能ですが、新聞や本など近くの字を読みたい時には近用眼鏡(いわゆる老眼鏡)が必要です。

多焦点眼内レンズは、2か所もしくは3か所にピントが合うため、若いころのようにすべての位置にピントが合うわけでは

単焦点眼内レンズ
(ピントが合う距離がひとつ)
多焦点眼内レンズ
(ピントが合う距離が複数)

ありませんが、遠方と近方が見える事で日常生活は非常に楽になります。多焦点眼内レンズにより、眼鏡に依存しないもしくは眼鏡の使用頻度を減らすことが可能となり、QOL(quality of life)の向上が期待されます。

ハローとグレア

多焦点眼内レンズは、挿入してから見え方に慣れるまでに数週間~数ヶ月かかる場合があります。これは、脳が多焦点レンズの見え方に順応する時間が必要なためです。

また、単焦点レンズと比較してコントラスト感度(鮮やかさ)が少し低いことや夜間少し見えにくく感じること、
光の輪(ハロー)やまぶしさ(グレア)を感じることがあります。時間と共に軽快し、気にならなくなる方が多いようです。

多焦点眼内レンズ手術は選定医療になりますので、眼内レンズ費用は自己負担になります。

多焦点眼内レンズの種類

テクニスマルチフォーカル
(近方33㎝ / 42㎝ / 50㎝)
回折型多焦点眼内レンズで、遠くと手元の2か所にピントが合います。手元のピントの距離が33㎝ / 42㎝ / 50㎝の3つから選ぶことができます。夜間にグレア、ハローを感じることがあります。コントラスト感度は少し低下します。乱視矯正は不可です。
※費用はお問い合わせください。
シンフォニー
エシェット型回折型拡張多焦点レンズで、手元のピントが合いにくいものの、遠方から中間まで落ち込みなく広い範囲が自然に見えます。コントラスト感度の低下も少なく、夜間のグレア・ハローも極力抑えられています。
※費用はお問い合わせください。
ファインビジョン
(3焦点)
遠方、近方に加え中間距離の見え方も良好な3か所にピントの合うレンズです。
グレア・ハローも少なく、乱視対応もあります。多焦点レンズの中で眼鏡依存度が一番少ないレンズです。
※費用はお問い合わせください。
テクニスシナジー
2焦点レンズと焦点深度拡張型レンズを組み合わせることで、コントラスト感度を良好に保ったまま、近方約35cmから遠方まで連続的に見えるのがを特長です。
※費用はお問い合わせください。
テクニスシナジートーリック
乱視眼にも対応可能です。見え方については、さまざまな角度からシミュレーションと解析を行い、正確な乱視度数の計算を行っています。
※費用はお問い合わせください。
パンオプティクス
(3焦点)
国内で初めて承認された3焦点型の多焦点眼内レンズで、遠方から近方まで幅広い距離で良好な見え方が得られます。
※費用はお問い合わせください。